塗装ができない!?ノンアスベストの屋根材について
2023.06.26 (Mon) 更新
スミタイでは、雨漏り診断士や外装劣化診断士の資格を持ったプロが在籍しております!!
みなさん、こんにちは!! 屋根修理・防災・雨漏り修理専門店のスミタイの大野谷です。
自宅の屋根を見上げてみたら、割れが目立つ、劣化が激しくなっている気がすると思って『そろそろ塗装の時期かな』と考えたことがある方はいらっしゃいませんか?
もしかしたらそれは『ノンアスベスト』と呼ばれる屋根材かもしれません!!また、ノンアスベストに該当する屋根材でしたら塗装はできません!!
アスベストが入っていないから安心ととらえる方もいらっしゃるかと思いますが、ノンアスベストの屋根材は経年劣化で脆くなりやすくトラブルが多い屋根材なのです…。
本日は、ノンアスベストの屋根材の種類や特徴についてお伝えさせていただきます。
目次
ノンアスベストの屋根材とは
1990年後半~2004年頃まで施工された屋根材の多くが「ノンアスベストスレート屋根」でした。2004年のアスベスト使用禁止に対応するため、多くの建材メーカーはノンアスベスト屋根材の開発に追われていました。
製品として完成度が低いまま市場に出さないとならなかった事情があるとは言え、ノンアスベスト屋根材は問題のある屋根材として現在、広く認識されています。ノンアスベスト屋根材は10年~20年程度の耐久性しかなく、比較的早い段階で老朽化による屋根材の割れ、表層部の剥がれが屋根全体に広がる事態となってしまったのです。
ノンアスベストスレート屋根の種類について
判断目安
・新築年数が、法律の切り替わったタイミングである1990年代後半~2008年の間
・谷際、壁際、軒先、妻際以外の平部にも多数ひび割れがある。
経年劣化で脆くなりやすいノンアスベストのカラーベストの共通の判断目安です。
以下がひび割れが報告されている事例を纏めました。
パミール
メーカー:ニチハ
販売年数:1996年から2008年 終売
劣化症状:製造ロットによっては、経年劣化により瓦自体の強度が低くなり、昼間はく離・破片の落下などが発生している場合があります。
木肌調:厚み5mm一般的に広く出回っている形状。
縞彫石調・玄昌石調:厚み5mmで木肌調に比べて彫りが深い。
砂岩調・和瓦調:厚み6mmで一番厚みがある。
レサス
メーカー:旧松下電工
販売年数:1999年から2006年9月 終売
劣化症状:経年劣化により、瓦自体の強度が低くなり、ヘアークラック・ひび割れ・破片の落下が発生している場合があります。
※レサスの屋根には上らないでください。
人の重さだけで簡単に踏み割ってしまう恐れがあります。
セキスイかわらU
メーカー:積水
販売年数:1990年から2007年 終売
劣化症状:経年劣化により、瓦自体の強度が低くなり、ひび割れ・層間はく離・破片の落下が発生している場合があります。
※アスベスト含有:1975年から1990年
1990年から2007年に発売された物のノンアスベストであり、強度低下が起きている可能性あり。
アーバニーグラッサ
メーカー:旧クボタ(現在はケイミュー)
販売年数:2001年12月から2005年11月 終売
劣化症状:経年劣化により、瓦自体の強度が低くなり、ヘアークラック・ひび割れ・破片の落下が発生している場合があります。
※アスベスト含有年数および含有率
1982年から1989年:10~15%
1990年から1994年:5~10%
1990年から2001年:0.1~1%
ザルフ
メーカー:旧クボタ(現在はケイミュー)
販売年数:2001年12月から2006年10月 終売
劣化症状:経年劣化により、瓦自体の強度が低くなり、ヘアークラック・ひび割れが発生している場合があります。
※アスベスト含有年数および含有率
1997年から2001年11月:0.1~1%
コロニアルNEO
メーカー:旧クボタ(現在はケイミュー)
販売年数:2001年4月から販売中(現在はコロニアルグラッサとして販売中)
劣化症状:経年劣化により、瓦自体の強度が低くなり、ヘアークラック・ひび割れが発生している場合があります。
シルバス
メーカー:旧クボタ(現在はケイミュー)
販売年数:2001年から2003年10月 終売
劣化症状:経年劣化により、瓦自体の強度が低くなり、ヘアークラック・ひび割れ・破片の落下が発生している場合があります。
※レサスの上位グレードとして販売されていた製品。販売期間が短く市場にはあまり出回っていない。
以上が経年劣化で脆くなりやすいノンアスベストの屋根材でした。
ノンアスベスト屋根材は表層部の劣化が著しく、塗装をしても塗料ごと表層が剥離してしまうため塗装ができませんので、塗装以外でのメンテナンスが必要となります。
塗装できないノンアスベスト屋根材の点検のおすすめ
自宅屋根が塗装できないノンアスベスト屋根材かどうか、とても気になるでしょう。しかし、はしご等を使用してご自分で点検するのは大変危険ですのでおすすめできません。また、屋根に上ることで屋根材が割れ、状況を悪化させる恐れもあります。
屋根の劣化が気になる場合、目視による点検が確実ですが、その際は屋根上を歩くことなく詳細な箇所まで調査可能な「ドローンによる点検」をおススメします。
屋根を安全・確実に点検実施するためドローンによる点検を実施していますので、自宅屋根の状況がご心配な場合はご相談ください。