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屋根カバー工法とは?メリット・デメリットや費用相場、葺き替えとの違いを徹底解説

屋根劣化知識

2025.09.11 (Thu) 更新

屋根の老朽化や雨漏りが気になり始めたとき、多くの方がリフォームを検討します。その中でも近年注目を集めているのが「屋根カバー工法」です。
この工法は、既存の屋根を撤去せずに新しい屋根材を重ねて施工する方法で、費用や工期を抑えつつ、美観と機能性を向上させることができます。

しかし、「そもそも屋根カバー工法とはどんな工事なのか?」「本当に自宅に適しているのか?」「デメリットはないのか?」といった疑問を持つ方も少なくありません。

本記事では、屋根カバー工法の仕組みやメリット・デメリット、施工の流れや費用相場、他の工法との違いまで、わかりやすく解説します。屋根リフォームを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

1. 屋根カバー工法とは?

 

1-1. 屋根カバー工法の概要

屋根カバー工法とは、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねて施工する工法のことです。「重ね葺き」や「カバールーフ工法」とも呼ばれ、屋根のリフォーム方法として注目を集めています。この工法では、既存の屋根材を撤去する必要がなく、そのまま上から防水シート(ルーフィング)と新たな屋根材を施工していきます。

一般的には、スレート屋根(カラーベストやコロニアル)などの平板屋根に適用されることが多く、金属系の軽量屋根材、特にガルバリウム鋼板などが使用されます。二重構造となることで、雨音の軽減や断熱性の向上といった副次的なメリットも期待できるのが特徴です。

また、アスベストを含む古いスレート屋根でも、屋根材を剥がさずに施工できるため、飛散リスクを抑えつつリフォームが可能です。こうした背景から、費用と安全性のバランスが取れた屋根改修方法として、多くの住宅で採用されています。

1-2. 一般的な施工の流れ

屋根カバー工法の施工は、おおよそ以下のような流れで行われます。

1.既存屋根の点検・劣化状況の確認

2.高圧洗浄などで屋根の表面を清掃

3.防水シート(ルーフィング)の敷設

ルーフィング貼りを行っています。

4.軽量金属屋根材の取り付け

5.雨押え、棟板金などの仕上げ作業

このように、既存屋根の構造を活かしながら新しい屋根を重ねることで、効率的に美観と機能を回復できます。施工期間も比較的短く、一般的な戸建住宅であれば3日~7日程度で完了するケースが多いのも魅力の一つです。

1-3. 葺き替え工法との違い

従来の屋根リフォームとして知られる「葺き替え工法」は、既存の屋根材をすべて撤去し、新たな防水シートと屋根材を取り付ける方法です。この方法は屋根の構造を一新できるため、下地材に問題がある場合や、雨漏りがひどい場合などには適しています。

一方、屋根カバー工法では、下地がまだ健全な状態であることが前提となります。撤去・廃棄作業が不要な分、費用を抑えつつ工期も短縮できるというメリットがあります。ただし、屋根材が重ねられるため、多少の重量増加が避けられず、建物の構造によっては施工できないケースもあります。

屋根の劣化状況や建物の構造、予算に応じて、カバー工法と葺き替え工法を適切に使い分けることが重要です。

2. 屋根カバー工法のメリット

屋根カバー工法は、近年注目されているリフォーム方法のひとつです。従来の屋根葺き替えと比べて、多くのメリットがあるため、初めての屋根リフォームでも選ばれることが増えています。ここでは、屋根カバー工法の主なメリットを詳しくご紹介します。

2-1. コストを抑えられる

屋根カバー工法の大きな利点は、費用を抑えて施工できることです。既存の屋根材を撤去せず、その上に新たな防水シートと屋根材を重ねるだけなので、解体作業や廃材処理のコストがかかりません。

特に、スレート屋根にアスベストが含まれている場合、葺き替えではアスベスト処分に高額な費用が必要になりますが、カバー工法なら屋根材をそのまま残せるため、処分費を大幅に削減できます。

2-2. 工期が短く、生活への影響も少ない

カバー工法では、解体工程が不要となるため、施工期間が大幅に短縮されます。一般的な戸建て住宅であれば、わずか3日から1週間程度で工事が完了することもあり、足場設置から撤去まで含めても最小限の期間で済みます。

長期間にわたって生活音や職人の出入りが続く葺き替え工事と比べ、居住者のストレスが少なく、近隣住民にも迷惑をかけにくいというメリットがあります。

2-3. 断熱性・遮音性・防水性が向上

屋根カバー工法では、既存の屋根の上に防水シートと新たな屋根材を重ねて施工するため、屋根全体が二重構造になります。これにより、外気の影響を受けにくくなり、夏は熱気を、冬は冷気を遮る効果が期待できます。

さらに、雨音などの騒音を和らげる遮音性の向上や、防水シートの新設による漏水対策としても効果的です。築年数の経った家でも、こうした機能性の向上によって住み心地が改善されるのは大きな利点です。

2-4. 外観の一新と美観の回復

古く色あせてしまった屋根も、新しい屋根材で覆うことで、一気に新築のような外観に生まれ変わります。デザイン性の高い屋根材を選ぶことで、建物全体の印象も良くなり、資産価値の維持にもつながります。

また、屋根材のバリエーションによっては、周辺の住宅と調和した色合いや風合いに仕上げることもでき、景観面での満足度も高まります。

2-5. 騒音やホコリの発生が少ない

カバー工法は解体作業がほとんど発生しないため、工事中の騒音や粉塵が大幅に抑えられるのも利点です。工事によるストレスを感じにくく、屋根工事に対する心理的ハードルも下がります。

高齢者がいる家庭や、赤ちゃんのいるご家庭にもやさしい施工方法といえるでしょう。

2-6. 環境に配慮したエコな工法

屋根カバー工法は、廃材をほとんど出さないため、環境負荷の少ないリフォーム方法です。アスベストの飛散を防ぎつつ処分も不要な点は、地球環境への配慮が求められる今の時代に非常にマッチしています。

環境意識の高い方や、SDGsに関心を持つ世帯からも注目されている工法です。

3. 屋根カバー工法のデメリット

一方で、屋根カバー工法にはいくつかの注意点やデメリットも存在します。家の構造や状態によっては不向きなケースもあるため、施工前にしっかり理解しておくことが大切です。

3-1. 重量増による耐震性への影響

カバー工法では、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねるため、屋根全体の重量が増加します。これは、建物全体にかかる負荷が大きくなることを意味しており、耐震性に不安がある建物では適用が難しい場合もあります。

特に築年数の古い木造住宅では、構造上の安全性を確認せずに施工を進めると、地震時に思わぬ被害を受ける可能性もあるため、事前の建物診断が必須です。

3-2. 下地の劣化があると施工できない

屋根カバー工法は、既存屋根を残したまま施工するため、屋根下地の状態が施工可否の判断基準となります。野地板(下地板)に腐食や著しい劣化がある場合、その上に新しい屋根材を載せても耐久性が確保できず、雨漏りなどのリスクが高まります。

このような場合は、カバー工法ではなく、葺き替え工法を選ぶことになります。工事前にしっかりと点検を受け、適切な判断を行うことが重要です。

3-3. 瓦屋根には不向き

一般的に、屋根カバー工法はスレート屋根や金属屋根など、平坦な屋根材に限定して施工可能です。瓦屋根は形状が複雑で重量もあり、そのまま重ね葺きすることは現実的ではありません。

瓦屋根のリフォームを希望する場合は、瓦の撤去を前提とした葺き替えが基本となります。

3-4. 使用できる屋根材が限られる

カバー工法では、軽量かつ耐久性の高い屋根材が使われるため、使用できる屋根材の種類がある程度限られてしまいます。代表的な素材は、ガルバリウム鋼板やアスファルトシングルなどですが、陶器瓦や天然石系の重厚な屋根材などは使用できません。

デザインや素材に強いこだわりがある方にとっては、希望通りの仕上がりにならない可能性もあります。

3-5. 技術のある職人が必要

屋根カバー工法は一見シンプルに見えますが、屋根の勾配や水の流れを考慮した高度な施工技術が求められます。板金加工や防水処理などが不十分な場合、施工後に雨漏りや結露などのトラブルが発生するリスクがあります。

そのため、豊富な実績と専門知識を持つ業者を選ぶことが非常に重要です。

3-6. 施工後の問題に気付きにくい

屋根が二重構造になることで、万が一問題が発生しても内部が見えにくく、原因の特定が難しいというデメリットもあります。雨漏りや通気不良といった不具合が起きた場合、部分的な修理では済まないこともあるため、定期的な点検が不可欠です。

 

4. 施工の流れと選べる素材

屋根カバー工法は、見た目以上に繊細で丁寧な作業が求められるリフォーム工事です。特に防水性や耐久性に関わる工程が多いため、施工の質が仕上がりと将来の住環境に直結します。ここでは、一般的な施工の流れと、選ばれることの多い屋根材について詳しくご紹介します。

4-1. 屋根カバー工法の施工の流れ

屋根カバー工法の施工は、以下のような工程で進みます。スムーズな工事のためには、各段階での丁寧な作業と確認が不可欠です。

① 足場の設置と養生

最初に行われるのが足場の設置です。屋根は高所作業となるため、安全対策として足場を組み、さらに防護用ネットや養生シートを設置して近隣への飛散防止を徹底します。施工内容によっては、建物の四方を囲うように設置され、1日程度で完了します。

② 既存屋根の点検・不要部材の撤去

屋根の表面を清掃し、棟板金、貫板、雪止めなど既存屋根の一部部材を撤去します。特に棟板金の内部には雨水侵入を防ぐための部材があり、これが劣化していることも多いため、丁寧に取り外しておくことが大切です。

また、撤去作業中に下地の状態を再確認し、必要に応じて補修が行われます。カバー工法は「下地が健康であること」が前提となるため、この段階の診断は非常に重要です。

③ 防水シート(ルーフィング)の敷設

ルーフィング貼りを行っています。

撤去後の屋根に、防水性能を高めるための「ルーフィング」と呼ばれる防水シートを丁寧に敷設していきます。このルーフィングが、雨漏りを防ぐ“第2の防水層”となるため、屋根材以上に重要視されることもあります。

使用されるルーフィングには耐熱性・耐久性に優れた高品質タイプがあり、選定により建物の寿命にも影響します。

④ 板金処理・水切り金物の設置

軒先やケラバ(屋根の端)など、雨水が集中しやすい箇所に水切り板金を取り付けます。これにより、雨水が内部に浸入することなく、屋根外部にスムーズに排水される仕組みが作られます。

この部分は施工不良があると後の雨漏りトラブルに直結するため、熟練した職人による正確な作業が求められます。

⑤ 新しい屋根材の取り付け

防水層の上から、選定した屋根材を順番に設置していきます。屋根材同士の重なりや留め付け間隔など、細かい施工基準に従いながら、一枚一枚丁寧に葺き上げていきます。

この工程では、屋根の傾斜(勾配)や形状によって施工方法が変わるため、現場ごとの判断と技術が問われます。

⑥ 棟板金や換気棟の設置

屋根のてっぺん部分にあたる「棟(むね)」には、新たな棟板金と下地材(貫板)を設置します。さらに、屋根裏の湿気を逃がすための換気棟を取り付けるケースも多く、結露やカビの発生を防ぐ上で非常に重要な設備となります。

⑦ シーリング処理と仕上げチェック

棟板金のつなぎ目や金属同士の接合部には、必ずシーリング処理(コーキング)が施されます。これにより、わずかな隙間からの雨水侵入を防ぎ、屋根全体の防水性を高めます。

最後に、施工全体のチェックを行い、問題がなければ足場を撤去し、清掃後に施主へ引き渡しとなります。一般的な戸建住宅であれば、すべての工程を含めて1週間以内に完了するケースが多いです。

4-2. 屋根カバー工法で選ばれる屋根材

屋根カバー工法では、重量のある瓦や厚い板金材ではなく、軽量で断熱性や耐候性に優れた屋根材が使用されます。以下は、よく選ばれる代表的な屋根材とその特徴です。

■ ガルバリウム鋼板(がるばりうむこうはん)

近年もっとも普及している金属屋根材のひとつで、軽量・高耐久・高耐熱の三拍子が揃った素材です。耐用年数は20〜30年とされており、カバー工法に非常に適した材料です。

また、断熱材と一体になった製品もあり、外気温の影響を受けにくく、夏の室内温度上昇や冬の結露を抑える効果も期待できます。

■ アスファルトシングル

海外住宅で多く採用されている屋根材で、ガラス繊維にアスファルトを含浸させた柔らかいシート状の素材です。表面に石粒を吹き付けることでデザイン性に富んだ外観が得られます。

軽量かつ加工性が高いため、複雑な屋根形状にも対応でき、洋風住宅との相性も抜群です。

■ 横葺き金属屋根(例:横暖ルーフ・スーパーガルテクト)

栃木県宇都宮市 S様邸 屋根カバー工法『INAGAKI ICひらぶき ヒランビー220』

見た目はスレート屋根に似た形状ですが、内部に断熱材が内蔵されており、断熱・防音・遮熱性能が優れています。ネジが見えない「ハゼ式」なども登場しており、デザイン性と機能性を兼ね備えた素材として人気です。

 

4-3. 屋根材選びのポイント

カバー工法に使用する屋根材は、見た目だけでなく以下のような観点から総合的に判断する必要があります。

  • 建物の構造や屋根の勾配(傾斜)との相性
  • 断熱性・遮音性といった性能面の重視度合い
  • 地域の気候条件(雪が多い・台風が多いなど)
  • メンテナンス性や将来的な修繕のしやすさ
  • 外観との調和・デザイン性

また、素材によって施工難易度が異なるため、事前に施工実績の豊富な業者に相談することが、失敗のないリフォームへの近道となります。

5. 費用相場と耐用年数・耐久性

屋根カバー工法は、葺き替えよりもコストを抑えながらも一定の耐久性が得られる点で注目されている工法です。しかし、「本当にどのくらいの費用がかかるのか」「施工後はどれくらい持つのか」といった点は、多くの方が気になるポイントでしょう。ここでは、最新の費用目安や耐用年数の基準を踏まえながら、長期的な視点で屋根カバー工法のコストパフォーマンスを解説します。

5-1. 屋根カバー工法の費用相場

屋根カバー工法の費用は、建物の大きさや屋根の形状、使用する屋根材の種類、施工地域や業者の施工レベルによって大きく変わりますが、一般的な目安としては80万円〜160万円程度が相場とされています。

たとえば、延床面積30坪(屋根面積100㎡前後)の住宅で、標準的なガルバリウム鋼板を使用した場合、以下のような費用が見込まれます。

主な費用の内訳(参考例)

項目 内容 費用目安
屋根材(本体) ガルバリウム鋼板(軽量) 約60万円前後
防水シート設置 ルーフィング材 約10万円前後
棟板金や雪止め等の交換 各種付帯部材 約10万円
足場設置費 高所作業用 約15万~25万円
諸経費・施工費 工賃、管理費等 約10万~20万円
合計

約110万~140万円前後

※素材にこだわった場合や、屋根形状が複雑な場合には、上記金額を超えることもあります。

また、使用する屋根材によっても㎡単価は異なります。

  • アスファルトシングル:5,000〜8,000円/㎡
  • ガルバリウム鋼板:8,000〜12,000円/㎡
  • 高機能断熱材付き金属屋根:10,000〜15,000円/㎡

 

  • 5-2. 耐用年数とメンテナンスのタイミング

    屋根カバー工法に使用される材料は、いずれも高耐久のものが多く、20年〜30年以上の使用が可能とされています。特に近年では、耐候性や遮熱性に優れた屋根材が増えており、長寿命なリフォームが実現可能です。

    屋根材ごとの耐用年数目安

    • ガルバリウム鋼板:20〜30年
    • SGL鋼板(ガルバリウムよりも耐久性が高い):30〜40年
    • アスファルトシングル:15〜25年
    • 遮熱断熱付き金属屋根:25〜35年

    ただし、耐用年数はあくまで目安であり、紫外線・積雪・強風などの自然環境や、周辺環境(沿岸部や山間部など)によって差が生じます。

    また、屋根材自体は長持ちしても、接合部のシーリングや棟板金などの付帯部分は10年〜15年ごとの点検・補修が必要です。適切な時期に補修や再塗装を行うことで、屋根全体の寿命を延ばすことができます。

    5-3. 葺き替えと比較したコストパフォーマンス

    屋根リフォームでは、カバー工法と葺き替えのどちらが良いか迷う方も多いですが、初期費用・廃材処理・工期・耐用年数などをトータルで見ると、カバー工法の方がコストパフォーマンスが高いケースが多いです。

    カバー工法の特長:

    • 既存屋根を剥がさないため廃材処分費が不要
    • アスベスト屋根でも飛散リスクが低い
    • 工期が短く、人件費も抑えられる
    • 屋根の断熱性・遮音性が向上する

    一方で、葺き替えは下地の交換や構造の確認ができるため、完全に新しい屋根にしたい方や下地が劣化している場合には適しています。

    5-4. 地域差と業者選びによる価格差

    費用相場は地域によっても異なります。都市部では人件費が高い傾向にあり、地方では比較的安価なこともありますが、あまりにも価格が安すぎる業者には注意が必要です。屋根カバー工法は防水や通気の処理が重要であり、施工品質が低いと数年で雨漏りするリスクがあります。

    業者を選ぶ際には、以下の点をチェックすると安心です。

    • 見積書に詳細な内訳が記載されているか
    • 過去の施工事例を確認できるか
    • 保証内容やアフターフォローが明記されているか
    • 説明が丁寧で、質問に真摯に対応してくれるか

    また、火災保険が適用できる場合もあるため、台風や風災による破損を理由にカバー工法を検討している場合は、事前に保険会社や業者に相談すると良いでしょう。

    5-5. 結論:長期的に見ればコストパフォーマンス良好

    屋根カバー工法は、初期費用を抑えつつも耐久性のあるリフォームが可能なため、「今の屋根がスレートやトタンで下地がまだ健全」という条件に当てはまる方には最適な選択肢です。特に断熱・遮音効果も兼ね備えた金属屋根材を選ぶことで、暮らしの快適性も向上します。

    一方で、屋根材の選定や業者の選び方を誤ると、早期の不具合や追加工事が発生する可能性もあるため、長期的な視野と信頼できる施工業者の選定が不可欠です。

 

6. 葺き替えとの比較と最適な選び方

屋根リフォームには「屋根カバー工法」と「屋根葺き替え工法」の2つの主要な選択肢があります。どちらを選ぶべきかは、費用や工期だけでなく、屋根の状態、住まいの耐久性、今後のライフプランなど、さまざまな視点から判断する必要があります。

この章では、それぞれの工法の違いや特徴を深掘りし、どちらがご自宅に適しているかを見極めるための判断材料を提供します。

6-1. 屋根カバー工法と屋根葺き替え工法の違い

まずは両者の基本的な違いを整理します。

屋根カバー工法(重ね葺き)

既存の屋根をそのまま残し、その上に防水シートと新しい屋根材を重ねて施工する方法です。撤去作業がほとんどないため、短期間・低コストで施工できるのが特徴です。

メリット:

  • 既存屋根を撤去しないため廃材処理が不要で環境負荷が低い
  • 工期が短い(3〜7日程度)ため生活への影響が少ない
  • 二重構造になるため、断熱・防音性が向上
  • アスベスト含有の屋根でも施工が可能(撤去不要のため飛散リスクがない)

デメリット:

  • 屋根の重量が増えるため、建物の構造によっては耐震性への配慮が必要
  • 下地や構造に重大な劣化がある場合は施工できない
  • 使用できる屋根材に制限がある(軽量なものに限られる)

屋根葺き替え工法(リフォーム・リプレース)

既存の屋根材と防水シートを全て撤去し、新しい防水シートと屋根材を施工する方法です。屋根の構造から一新できるため、長期的な安心感があります。

メリット:

  • 下地材も含めて屋根全体をリフレッシュできる
  • 劣化した構造材を補修・強化できるため、建物全体の耐久性が向上
  • 屋根の軽量化にもつながり、耐震性の向上が期待できる
  • 屋根材の選択肢が豊富(瓦や重厚な金属材も選択可)

デメリット:

  • 工期が長く(1〜2週間以上)、生活への影響が大きくなる
  • 既存屋根材の撤去・処分費用が加算されるためコストが高め
  • 工事中の騒音・粉塵の影響がある

6-2. 費用と工期の比較

費用感(30坪の住宅を想定)

工法

相場価格帯

備考

カバー工法

約80〜150万円

足場、屋根材、施工費込み

葺き替え工法

約150〜250万円

解体・廃材処分費、下地補修含む

カバー工法の方が約50〜100万円程度安く抑えられる傾向がありますが、下地が健全であることが条件となります。

工期の目安

  • カバー工法:3日〜1週間程度
  • 葺き替え工法:1週間〜2週間以上(屋根構造による)

工期の短さは、カバー工法最大の魅力ともいえるでしょう。

6-3. 向いているケースの違い

カバー工法が向いている人・家の特徴

  • 既存屋根がスレートまたは金属系で、構造上の劣化がない
  • できるだけ費用を抑えてリフォームしたい
  • 短期間で工事を終えたい(急な雨漏り対策など)
  • アスベストを含む屋根材の撤去を避けたい
  • 断熱・遮音性を少しでも高めたい

葺き替え工法が向いている人・家の特徴

  • 野地板、防水紙、垂木などが劣化している
  • 現在の屋根材が瓦、または重い素材で、軽量化したい
  • 建物の耐震性を向上させたい
  • 今後数十年、長く安心して住みたい
  • これを機に屋根の形状やデザインも一新したい

6-4. 長期視点でのコストと安心感の比較

一見するとカバー工法の方が安価で済みますが、葺き替えは下地から新しくなる分、長期的な修繕リスクが抑えられます。以下は30年スパンで見たコスト感の例です。

 

年数 カバー工法(累計) 葺き替え工法(累計)
0年 110万円 190万円
10年 メンテナンス20万円
20年 再塗装20万円 メンテナンス30万円
合計 150万円 220万円

※カバー工法でも定期的なメンテナンスは必要です。トータルコストで見れば、葺き替えが高いものの、耐久性と安心感では勝るケースもあります。

 

6-5. 判断のためのチェックリスト

最終的な判断を行うためには、以下のようなチェックリストが役立ちます。

  • □ 屋根の下地材に腐食やカビ、雨染みはないか?
  • □ 屋根材の浮きやひび割れがどの程度あるか?
  • □ 将来的に太陽光パネルなどの設置を検討しているか?
  • □ 今後20年〜30年、その家に住み続ける予定か?
  • □ 工期や近隣への配慮がどの程度必要か?

これらの情報をもとに、専門業者の無料診断を受けながら判断することをおすすめします。

まとめ:自宅の状況とライフプランに合わせた選択を

屋根カバー工法と葺き替え工法のどちらがベストかは、一概には言えません。現在の屋根の状態、建物の築年数、構造、今後の住まい方や予算などを総合的に考慮し、自分にとって最適な選択をすることが大切です。

また、施工実績のある信頼できる業者に相談し、現地調査を依頼することで、的確な判断が可能になります。

 

7. まとめ

屋根カバー工法は、既存の屋根の上から新しい屋根材を重ねることで、短期間・低コストでリフォームできる方法です。断熱性や防音性も高まり、アスベスト対応にも有効といった多くのメリットがあります。

一方で、屋根の下地が傷んでいる場合や、瓦屋根など重量のある屋根材には不向きです。重量増による耐震性への影響も考慮が必要です。

この工法を検討する際は、

  • 現在の屋根の状態(下地の劣化有無)
  • 使用している屋根材の種類
  • 今後の住まい方や予算感

を踏まえたうえで、信頼できる業者に現地調査を依頼し、カバー工法が適しているか判断することが大切です。

適切な診断と施工がされれば、屋根カバー工法は費用対効果に優れたリフォーム方法となるでしょう。

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